http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200904140090.html
広島で「ボールボーイ」ならぬ「ボール犬」が活躍していた時期があった。
折しも、球界は大阪近鉄バファローズの解散→東北楽天イーグルスの参入、などが有った頃
球界は再編の渦中にあった。
チームは、改めてファンとどのように向き合っていくかを手探りで探っていく、
そんな時期だった。
大々的なことがしづらい広島市民球場のファンサービスの一つとして、
「ボール犬」がそのような文脈で、誕生した、
それが 「ミッキー」だった。
「ミッキー」はよく訓練された犬で、ファンの大歓声にもおびえることなく役割を果たした。
そして、殺伐としたスタンドに和やかさを運び、チームには勝利をもたらした。
スタンドが和んだ理由はただ一つ、彼がとても楽しそうだったからだ。
こんなエピソードがある。
球審に近寄るべき場面で 間違えて彼は捕手の倉選手に近づいていった。
柄の悪いカープファンは野次を飛ばす。
しかし、その野次の内容は、なんと「倉!!お前が悪い!!」だったという。
倉選手のそのときのコメント「こっちじゃないよと教えてあげたかった」
つまりは、こういうコメントが出るくらいに自然で、
楽しそうな姿だった、ということなのである。
ミッキーの実働は、2005~2006 背番号は111。
2006年の神宮球場のオールスターでも活躍した。
そして、2007年を以て引退。通算成績は15勝7敗だった。
逝去の報道がなされたのが14日。
逝去は新球場での試合が始まる前の4月8日だったという。
14日の試合では半旗が掲げられたという。球団として、なんとか弔意を表したかったとのこと。
それほどまでに、彼の姿はファンの心に残った。
いまごろは、雲の上で、津田投手にボールを運んでいるのかもしれない。
冥福を。
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