2008/10/22(Wed)23:54
ヨコハマ買い出し紀行が活字化されて900円で売っているというので買って読んでみた。
基本的に物語系の活字本はB●●K●FFとか青空文庫な人だから、おいらにとってはかなりレアである。
[0回]
さて、この手の話とくれば、私はまず一文で要約するところから始める。
その手続きに基づくならば、
「未成熟な少年が他人の記憶を追体験することで感情を獲得し生きる意味をおぼろげにしかし確実につかむ話」であろうか。
うん、確かによどみない文章だ。そこは認めてもいい。しかし、思えらく、全ての要素がこの要約文に集中されるあまり、コミック本編との齟齬をそこかしこできたしており、文章はきれいだが、そこから先に進めない、という感じである。
本編に対しての感情移入はとても容易だ。なぜなら、本編そのものにおいて、大半がコミックスの要約であるからだ。もしかしたら本文のよどみなさにまつわる感想も、そこから来る物なのかもしれない。ヨコハマ買い出し紀行の読者の追体験、そして、そのとき一読者としてどのような思いを持つか、どのような解釈をもつか・・・そういった点が延々と述べてある。つまり、「一読者としての解釈」そのものが披瀝されているのだ。
その箇所が如実に表れているのが、
・「みんなの船」における執拗なまでの本文での解説
・アルファの心の理論を通したものとおもわれるタカヒロの心情描写
・ロボット開発における子海石先生の遺言と受けられるような描写そのもの
など。ほかにもそのような試みは本編の随所に見られよう。
それを敢えて例えるならば、「高校国語総合の自由表現の模範解答」という評価を下したい。
たとえば、上から二番目のテーマであれば、
「ヨコハマ買い出し紀行4巻の119ページ~120ページを素材としてタカヒロの気持ちを表現しなさい」という設問があったとき、その答えの模範が描写してある、という感じである。
よって、この作品「を通したヨコハマ買い出し紀行の批評」は出来ない。原典に、その原典に差し戻されることを余儀なくされる。たとえ、作中でマッキやココネや丸子やナイなどの存在がなかったことにされていたとしても!である。
おそらく、そういった一種の「選択と集中」を行うことによって、おそらくは自分の解釈そのものを作品の発展としたかったのだろうし、それを、この物語において筆者自身が設定したテーマ「未成熟な少年が他人の記憶を追体験することで感情を獲得し生きる意味をおぼろげにしかし確実につかむ話」と結びつけ作品の発展としたかったのだろう。
この活字版の著者そのものもあくまで一読者に過ぎないという点を痛感させられる一冊である。故にこれが公式であるところが痛くもどかしい。一ファンとしては。
A7M3やマッキ アヤセ ナイなどが本文に言及されていない点のほかに
本文設定内容に疑問点を持つとするならば以下の通り。
・みんなの船 といいながら、実際はアルファは2世代の記憶しか引き継いでいない
また、引き継げない理由が「疫病」という、ちょっと強引で、ちょっと納得のいくものとはおもえない内容に仕上がっている。またそこをさらっと流すんだよねー
・西の国はアナーキズムからの自滅に発展かー、複雑だなー(遠い目
・アルファはまた旅にでる(予定)のか。ここから先はあなたたちがつくっていってね、ってところなのかな。そこからのこの活字版の限界が見えるかな。
だいたいこんな感じである。PR
No.66|雑|Comment(4)|Trackback()
おお
2008/10/24(Fri)04:33
明日買いに行きます^^
それにしてもカープもマリーンズも惜しかった。
来年は日本シリーズやりましょう。
No.1|by オオカワ|
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